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AIの創作

【カテゴリ】 社員のつぶやき    

2023年03月10日

新入社員Oです

今回はAIについてお話しようと思います


皆さんはAIを使った創作活動をしたことはありますか?

私は「AI Dungeon」「AI TRPG」「AIのべりすと」に触れた経験があります

当初の私はこの技術に感嘆した記憶があります

学生時代に趣味の一環でチャットボットについて調べたことがあったのですが、文脈の判断が困難で以前の会話を元にした受け答えができないなど発展途上の技術という認識でした

しかし、私が初めて触れたAIによる文章生成サービス、「AI Dungeon」は以前に設定した情報を伏線として文脈の通った物語を出力してくれるサービスでした

英語というローコンテクストな言語を使用し、豊富な教材で、人との意思疎通ではなく一貫した物語の構築という視点のずれなどの条件の違いがあっての事とは思いますが、当時の私はその技術の発展に時代の進化を感じたのです


このようなAI技術の進歩は一見、消費者の視点からすればありがたいものに感じますが、様々な弊害を生じます

現在、すでに出ている問題としては画像作成の問題が挙げられます

たとえば、AIで作成した画像を手書きで作成したと偽って公開するという問題です

手動で画像を作成するときと、AIで画像を生成するときで求められる技術も違いますし、完成品の傾向というべきものが異なります

人が苦労して何時間もかけて描いたものをAIでパッと作ったと認識されるのも悲しくなるでしょうし、AIで作った作品を人が書いた作品の基準にするのも面白くないものです

特に金銭のかかる場合だと、ただでさえ軽く見られがちなデザインの価値を軽く見られることになるため、大きな問題になります

使用する側も、自分だと何時間もかけて作る作品を一瞬で生成できるために意欲を失い、その経験からAIの画像生成は魔剣のようなものだと称する人もいます


次に盗用の判断が困難になることも挙げられます

AIのソースが流出したときに他のAIに転用されても、出力された画像には幅が存在するため、判断しきれません

AIに画像を学習することで絵という概念を教える作業が存在するのですが、これで与える元画像が似通っている場合も同じような画像が生成されやすいからです

また、学習元になるデータの著作権も問題になります

特定のアーティストの作品に偏って学習させた結果、そのアーティストのロゴも含めて生成するようになってしまったAIの話も存在しています

特に日本では学習の制限が緩いため、これから論争が起きるかもしれません


AI技術の進歩は目覚ましく、人と変わらない仕事ができるAIの誕生も遠くないかもしれません

しかし、AIに仕事のすべてを任せるわけにはいかないと考えています

それは、AIの反乱を警戒しているわけでありません

仕事の代わりの生きがいを見つけたり、コストパフォーマンスを改善したり、金銭の流通を整えたりと問題を解決していっても必ず行き詰る場面があると思っています

それは心の問題です 機械に任せた不自由ない生活、それは甘美なものに感じ取れます

しかし、実際に我々がそれを手に入れたとき、その生活に適応することができるのでしょうか

これはストレス要因を排除した環境にネズミの群れを放つという、ユニバース25と呼ばれる実験があります

詳細は省きますが、最終的にはネズミたちは自滅してしまいます

生き物はストレスとともに生きてきました

ですので、生き物というものは今までの環境に適応して生まれてきているために、大きな変化には対応しきれずいびつになってしまうと考えています

人が自分の人生と向き合うためには、完全にストレスを排斥するのではなく、ストレスを抑えながら向き合っていくことが大切だと思っています


人とAIは根本的に違う存在です

私たちは感情や、本能という形で他者と接するためのマニュアルが存在しています

しかし、AIはそれらが未成熟です 人もAIを十全に扱えるほどに成熟していません

ですので、人とAIの生活の一歩目として、住み分けを考えるところから始めていくのでしょう