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パラドックス

【カテゴリ】 社員のつぶやき    

2023年03月08日

新入社員Oです


今回はパラドックスについて少しお話しようと思います

皆さんはパラドックスという言葉はどのような意味と認識していますか?

単に「矛盾」という意味だと思っている人が多いのではないでしょうか

しかし、実際の意味はもう少し広い意味を指す言葉です

パラドックスとは正しく見える前提や論理から受け入れがたい結論が得られることを示すそうです

この「受け入れがたい結論」というのは一般的に考えられている「論理的矛盾」の他に「直観に反しているが、矛盾していないもの」があります

そのため、矛盾していない法則についてパラドックスと名付けられることがあります

また、パラドックスの別名や定義は多数あるため、調べてみると面白いと思います


矛盾しているようでしていないパラドックスは「シュレディンガーの箱」など、無数に存在していますがその中でも「モンティ・ホール問題」と呼ばれるパラドックスについてお話しようと思います

モンティ・ホール問題とは海外の番組で行われたゲームを元にしたパラドックスです

その問題は要約すると以下のような内容です


「あなたの前に3つの扉があります

そのうちの1つがあたりの扉で、2つが外れの扉です

あたりの扉を開くことであなたの勝ちになりますが、あなたが開くことができるのは、そのうちの1つの扉だけです

最初に、あなたがこれから開ける扉を1つ選びます

すると、あなたが選ばなかった扉の中から外れの扉が1つ開き、あなたが開く扉を選びなおす権利が与えられます

この時、開く扉を選びなおすべきでしょうか」

皆さんは扉を開きなおすべきだと感じましたか?

扉の向こうは固定されているのだから確率は3分の1のまま変わらないと考える人もいれば、単純に3択から2択になったのだから変えたほうが高いと考える人もいるでしょう


当時、この問題の答えをめぐり論争が起きました

雑誌のコラムに投票されたこの問題の答えに対し、数学者を含む読者からの数々反論があったためです

正しい答えは「開ける扉を選びなおすべきである」なのですが、あたりの扉は最初から固定されているのだから3分の1のままであると考える人が多かったのです


個人的にこの考え方の偏りはそれ以前の有名な例として「ベルトランの箱のパラドックス」という問題があったためと考えています

これは均等にあたる確率がある選択肢が3択から2択になっても、あたる確立は3分の1のままであるという考えです

同型の前例の誤った定説に従い、論争が起きたのでしょう


さて、話を戻しますが、この答えが正しい理由についてお話します

この問題の要点はあなたが開く扉を選んだ時に開く扉は「必ずはずれの扉が開かれる」という点です

最初に選んだ扉を開いた時は当然3分の1の確率です

では、開く扉を変えたときの確率を考えてみましょう

まず選んだ扉が3分の1の確率のあたりだったとしましょう

この時、残り2つのどちらを選んでもはずれになります

逆に、3分の2の確率のはずれを選んでいたとしましょう

この場合、残る2つの選択肢の内、はずれの選択肢が開示されるため、選び直した場合は確実にあたりの扉を開くことができます

つまり、最初に選択した選択肢があたりの時は確実に外れますが、はずれを選択していた時は、開示された情報の分だけ確率の分母が減るということです

結果、選択を変えたほうが確率が上がるという理論です


扉の数を10、開示する扉を8に増やすとよりわかりやすいですね

最初に10分の1の確率であたりを選んでいるかであたりはずれが決まります

逆に扉の数を10、あたりの数を8つ、開示する扉を1つにしても同じように変化しますね


このようにパラドックスの中には少し頭をひねるパズルのようなものがたくさん存在しています

今回のモンティ・ホール問題にも別の条件を加えたらどうなるかというバリエーションも存在していますし、日本では近似する問題として3囚人問題なんかも存在しています

パズルを解くように楽しめますし、解説動画もありふれています

雑学としても面白いと思いますので、これを機にぜひパラドックスについて調べてみませんか